【福祉マネジメント基礎講座】実施のご報告
「部下指導に自信が持てない」「チームがうまくまとまらない」——
福祉現場のリーダーや主任職から、そんな声が数多く聞かれます。
業務の複雑化や人材の多様化が進むなか、経験や勘だけでは対応が難しい時代になりました。
そこで、現場でマネジメントに悩む方々を支援すべく、
2025年7月9日(水)に『福祉マネジメント基礎講座』を開催いたしました。
本講座はマネジメントに関心を持つ多くの方々にご参加いただき、実践的で学びの多い機会としてご好評をいただきました。
1.実施背景
現場のリーダーや主任層から、「部下への指導に自信がない」「人間関係の調整が難しい」「チームをまとめきれない」といったマネジメントに関する悩みの声が多く寄せられていました。
特に、業務負担の増加や人材の多様化により、従来の経験則だけでは対応しきれない場面が増えており、マネジメント力の向上が急務となっていました。そこで、福祉現場に特化したマネジメント研修を企画・実施し、現場リーダーが自信を持って役割を果たせるよう支援の一助として今回「福祉マネジメント基礎講座」を開催させていただきました。
2.参加者の気づき・学びの感想
今回の講座を通じて、参加者からは以下の6点にわたる気づきが共有されました。どの気づきも、日々の実践や
現場での葛藤を通じて得られたものであり、今後の組織づくりやマネジメントの在り方を見直す上での重要な視点となっています。
①他施設も同じような悩みを抱えているという安心感と共感
参加者の多くが、「自分の施設だけではなかった」「他の現場も似たような課題を抱えている」と感じたことで、
孤立感が薄れ、課題に対して前向きに向き合うきっかけになったと述べていました。共通する困りごとを共有することで、気づきと視野の広がりが生まれていました。
②自分自身の傾向や関わり方を客観視できた(行動特性診断による)
行動特性診断LIFO(自己理解ツール)を通じて、「ストレス時に感情的になる」「意図せず強く出てしまう」など、自分の行動傾向に対する理解が深まったという声が多く見られました。
また、「自分の特性をチームでどう生かすか」「他者との違いをどう受け入れるか」といった視点にもつながっていました。
③育成や組織運営は“ひとつの型”ではうまくいかないという気づき
「育成の進め方は人によって変える必要がある」「教え方が合わなかった人は辞めてしまった」といった具体的な経験談から、指導や育成に多様なアプローチが必要であることを再認識する参加者が多くいました。
画一的ではなく、柔軟で選択肢のある関わりが重要だという学びが得られていました。
④対話の力と場づくりの重要性
「言い合える関係」「見守られている安心感」「違和感を言葉にできる風土」など、対話を通じてチームづくりが
深まることの重要性を再認識している声がありました。反応シートやガイドラインの活用を通じて、対話の土台を整えることの大切さも共有されていました。
⑤自分のスタイルに合ったリーダーシップで良いという気づき
「自分は引っ張るタイプではないが、一緒に作ることはできる」「支えるリーダーシップもある」といった気づきが複数見られました。他者と比較するのではなく、自分らしい関わり方を認め、発揮していくことへの意識変容が
生まれていました。
⑥「楽しい」や「ときめき」など感情の要素もモチベーションに関係する
業務効率や管理だけでなく、職員自身が“楽しさ”や“好奇心”を持って働けることの大切さにも気づきを得ていました。感情や感覚も、継続的な働き方や組織活性化に影響する要素として再認識されていました。
3.参加理由
ご参加いただいた方々の参加理由としては、以下の5つの観点が多く見られました。それぞれの立場や課題に応じた声が多く寄せられ、皆さま自身の課題解決の糸口を見つけるべく、本研修にご参加いただきました。
①現場リーダー・後継者候補のマネジメント力向上のため
主任や新任管理職としての役割に不安があり、マネジメントスキルを高めることで自信をつけたいと考え参加。
②他法人・社外との交流を通じた気づきのため
他法人や異業種の参加者との対話を通じて、新たな視点や実践的なヒントを得ることを目的に参加。
③将来の役割を見据えた後継者育成の一環として
今後の法人運営を支える人材としての自覚を高め、自身の成長を促す機会とするために参加。
④経営層の期待に応えるための現場力強化として
経営陣の期待に応え、現場を支えるリーダーとしての資質を磨きたいと考え、研修に参加。
4.セミナーの内容

講座中は、参加者同士が意見交換や演習を行う時間を随時取り入れ、対話を重視した進行としました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
※なお、本講座は単発の学びで終わらせず、受講後1か月を目安に「個別コーチング面談」の実施を
予定しています。
受講者が現場での実践を振り返り、学びの定着や次のアクションにつなげることを目的とした
フォローアップ支援です。
このように、<<学びっぱなしにしない支援設計>>も本講座の特長のひとつとなっています。
今回の内容に関心をお持ちの方や、同様のテーマに課題意識をお持ちの方に向け、11月にも同様の機会を設ける予定です。ぜひご参加をご検討いただければと存じます。
※ご希望に応じて、各法人・施設単位での実施も承っております。お気軽にご相談ください。
次回開催のご案内はこちらからご覧いただけます。