次世代リーダー育成研修（全４回）～職場と研修を往復するプログラムで実践力を向上～

～正吉福祉会様のご紹介～
　昭和60年に東京都稲城市で創設された社会福祉法人である。「生活者としての利用者」の視点に立ち、特別養護老人ホームを単なる「終の住まい」とせず、地域や家庭への復帰を見据えた通過型施設と位置づけ、住宅サービスの整備と拡充を進めてきた。
　本部は東京都稲城市に所在し、現在、都内に8つの入所施設、東京都および神奈川県内に95カ所の在宅サービス事業所を運営している。サービス付き高齢者向け住宅や24時間訪問介護、看護小規模多機能型居宅介護など、地域密着型の複合サービスを展開している。職員数は約1,000名にのぼり、「心の絆」「自立の支援」「自己実現と選択」を重視した利用者本位のサービスを提供している。
　その質の向上を図るため、人材育成にも力を注いでおり、地域包括ケアシステムの推進を通じて、高齢者福祉の拠点として地域づくりに貢献している。

＜背景＞
　創業期から成長期を支えてきた1期、2期生が定年を迎え、施設長も世代交代し、理事長のリーダーシップのもと法人経営を行っている。現状の課題として今の世代にあった組織運営やマネジメントへ移行する必要があったこと。今後新たな施設を設置し事業拡大をする上で、次代を担う若手リーダーの育成も急務となっていた。​

＜導入＞
　成長を期待されるメンバーを選抜し、3回シリーズの研修を組んだ（2022年度よりスタート）。チームマネジメントやリーダーシップ、コミュニケーションに関する演習に取り組み、自職場におけるリアルテーマを設定した。学習⇒テーマ設定⇒実践⇒振り返り⇒新たな学習…というプロセスを通じ、リーダーへのマインドセットを強めていった。​

​＜効果＞
　2024年度からは全4回シリーズとして実践をフォローした。定着を後押しするため、研修外でも「オンライン会議」を活用し、実践状況の共有と共に、相互に刺激しあう関係づくりにも留意した。受講者同士が互いの取り組みから学びを深め、繋がりを強めていった。管理者に登用される人も生まれてきており、更なる活躍と影響力発揮が期待されている。

■研修担当者からのコメント
　回を重ねるごとに、受講者は職場の課題に対してより主体的に取り組むようになり、研修中にも積極的に意見を述べる姿勢が見られるようになった。他施設の受講者との交流を通じて多様な視点に触れ、自職場の課題を新たな角度から捉えるきっかけとなり、視野の広がりや意識の変化にもつながっている。

※本事例は2024年9月～2025年5月に実施した内容に基づいています。

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～正吉福祉会様では『気づきたい声　介護』を出版～
『気づきたい声 介護』は、社会福祉法人　正吉福祉会で働く人々や利用者本人の実際の声を集めた一冊である。法人の設立30周年を記念して出版したもので、特別養護老人ホームやデイサービスなど、多様な立場の473の言葉を収録し、介護の現場にある日常や葛藤、奇跡の出会いを描いている。本書は、すべて取材に基づいた実話で構成されており、介護の現場をリアルに映し出している。利用者の人生や記憶も紹介され、人間の尊厳や生き方について深く問いかける内容となっている。介護に関わるすべての人にとって、現場の声に耳を傾けるきっかけとなる一冊である。